経口補水液の飲み過ぎに注意が必要なのはなぜ?

経口補水液の飲み過ぎに注意が必要なのはなぜ?

経口補水液は、脱水状態のときに不足した水分と電解質を補うための飲み物です。健康な人が水分補給の目的で大量に飲み続けると、ナトリウムなどの電解質や水分を過剰にとるおそれがあります。特に、腎臓や心臓の病気がある人、高血圧の治療中の人、乳幼児や高齢者は、飲む量や使い方に注意が必要です。

経口補水液を飲み過ぎると注意が必要なのはなぜか

経口補水液には、水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質とブドウ糖が含まれています。下痢や嘔吐、発熱などで失った水分と電解質を効率よく補うための組成になっているため、普段の水分補給として何本も飲むことを前提にした飲み物ではありません。

飲み過ぎると、次のような問題につながる可能性があります。

  • ナトリウムを多くとることで、体内の電解質バランスが乱れる
  • 腎臓の働きが低下している場合に、水分や電解質が体にたまりやすくなる
  • 心臓や腎臓の病気がある場合に、むくみや血圧上昇などにつながることがある
  • 糖分の摂取量が増え、血糖値の管理に影響することがある

一方で、短時間に少し多く飲んだだけで、必ず重い症状が起こるわけではありません。影響は、飲んだ量、飲む速さ、年齢、体重、脱水の程度、持病、腎臓の働きなどによって変わります。

経口補水液を飲むのが適している場面

経口補水液は、発汗だけでなく、下痢や嘔吐などによって水分と電解質を失い、脱水が疑われる場面で使われます。飲む場合は、商品の表示にある用法や注意事項を確認し、一度に大量に飲まず、少しずつ補給します。

喉が渇いた、運動をしたという理由だけで、毎日の水分補給に経口補水液を選ぶ必要はありません。脱水がなく、通常の食事や水分をとれている場合は、一般には水や普段の飲み物で足りることが多いです。

飲み過ぎを避けるための飲み方

  1. まず、下痢、嘔吐、発熱、大量の発汗など、脱水につながる症状があるか確認します。
  2. 商品パッケージを読み、対象年齢、飲む量、保存方法、注意事項を確認します。
  3. 一度にまとめて飲まず、少量ずつ口にします。吐き気がある場合は、さらに少ない量から様子をみます。
  4. 症状が落ち着いた後も、脱水が続いているかを確認し、必要以上に飲み続けないようにします。
  5. 飲み始めても水分がとれない、症状が続く、体調が悪化する場合は、医療機関に相談します。

経口補水液を水で薄めたり、別の飲み物や塩を加えたりすると、想定された電解質濃度から変わります。自己判断で調整せず、表示どおりに使用してください。

特に飲む量へ注意が必要な人

次の人は、経口補水液を飲む前に、医師や薬剤師へ相談したほうがよい場合があります。

  • 腎臓の病気がある人、透析を受けている人
  • 心臓の病気やむくみがある人
  • 高血圧や糖尿病の治療を受けている人
  • 水分や塩分の制限を指示されている人
  • 乳幼児、高齢者、意識がはっきりしない人

これらに当てはまる人は、一般的な目安だけで飲む量を決められないことがあります。持病や治療内容によって、適した水分量や電解質の量が異なるためです。

経口補水液を飲み過ぎたときの対応

少し多く飲んだことに気づいた場合は、いったん追加で飲むのをやめ、商品の表示や体調を確認してください。持病がなく、症状もない場合でも、さらに大量に飲み続けるのは避けます。

吐き気、繰り返す嘔吐、強いだるさ、頭痛、意識がぼんやりする、けいれん、息苦しさ、急なむくみなどがある場合は、飲んだ量や時間を伝えて、早めに医療機関へ相談してください。意識障害や呼吸の異常など緊急性の高い症状がある場合は、救急要請を検討します。

乳幼児や高齢者、腎臓・心臓の病気がある人が多く飲んだ場合は、症状がなくても、自己判断で様子を見続けず医療機関や薬剤師に相談すると安心です。

経口補水液とスポーツドリンクは同じではない

経口補水液とスポーツドリンクは、どちらも水分や電解質を含みますが、目的や成分の設計が異なります。スポーツドリンクは運動時などの水分補給を想定した商品で、経口補水液は脱水状態の水分・電解質補給を目的としています。

また、商品によってナトリウムや糖分などの量は異なります。名称だけで飲む量を判断せず、実際に使用する商品の表示を確認してください。

経口補水液の飲み過ぎに注意するポイント

経口補水液は、脱水が疑われるときに役立つ一方、普段の水分補給として大量に飲むものではありません。「脱水の原因があるか」「商品の表示どおりに飲んでいるか」「持病や水分・塩分制限がないか」を基準に、使うかどうかと量を判断してください。

飲んだ後に体調の変化がある場合や、下痢・嘔吐が続いて水分を保てない場合は、経口補水液を飲み続けるだけで済ませず、医療機関へ相談しましょう。