冷却シートと熱中症対策は、目的が違います。冷却シートは、額などの皮膚に貼って冷たく感じさせる商品です。一方、熱中症対策は、体に熱がこもるのを防ぎ、異変があれば体を実際に冷やして回復を助ける行動を指します。
冷却シートは熱中症対策の代わりになる?
冷却シートだけでは、熱中症対策になりません。冷却シートは皮膚の表面を冷たく感じさせますが、体の深部にこもった熱を十分に下げられるとは限らないためです。
冷却シートを貼っていても、暑い場所に長時間いる、汗をかいているのに水分や塩分を補給しないといった状態が続けば、熱中症になる可能性があります。冷却シートは、暑さや発熱による不快感を和らげる目的で使うものと考えましょう。
| 項目 | 冷却シート | 熱中症対策 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 皮膚に冷感を与える | 体に熱がこもるのを防ぐ、または体を冷やす |
| 使う場所 | 額など | 涼しい環境、日陰、冷房のある場所など |
| 主な方法 | シートを貼る | 暑さを避ける、水分を補給する、休憩する、衣服をゆるめる |
| 熱中症への対応 | 単独では不十分 | 症状に応じて体を冷やし、必要なら救急要請する |
熱中症を防ぐために行うこと
熱中症対策では、冷却シートを貼ることよりも、暑い環境を避けて体温の上昇を防ぐことが重要です。
- 気温や暑さ指数(WBGT)が高い時間帯の外出や運動を控える
- 日陰や冷房のある場所でこまめに休憩する
- のどが渇く前から水分を補給する
- 大量に汗をかいた場合は、塩分を含む飲料なども利用する
- 通気性のよい服を着て、帽子や日傘を使う
- 室内でも冷房を使い、室温が上がりすぎないようにする
水分や塩分の必要量は、発汗量、運動の強さ、持病などによって異なります。水分制限を受けている人は、自己判断で補給量を増やさず、主治医の指示に従ってください。
熱中症の症状があるときの冷やし方
めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気、強いだるさなどがある場合は、冷却シートを貼るだけで様子を見ないでください。まず、涼しい場所へ移して体を冷やします。
- 屋外なら日陰、屋内なら冷房の効いた場所へ移す。
- 衣服をゆるめ、風を当てる。
- 首の周り、わきの下、足の付け根などを、冷たいタオルや保冷剤で冷やす。保冷剤はタオルで包み、皮膚に直接長時間当てない。
- 意識がはっきりしていて自力で飲める場合は、水分や電解質を含む飲料を少しずつ飲む。
意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が悪い、自力で水分を飲めない、けいれんがある場合は、無理に飲ませず、すぐに救急車を呼んでください。症状が改善しない場合も、医療機関への相談が必要です。
冷却シートを使うときの注意点
冷却シートは、熱中症対策を行ったうえで、暑さによる不快感を和らげる補助として使えます。ただし、貼っているからといって、暑い場所に居続けたり、運動を続けたりしてよいわけではありません。
また、乳幼児や高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくいことがあります。本人が冷却シートを使っていても、周囲の人が室温、顔色、発汗、受け答え、水分摂取の状況を確認してください。肌に異常が出た場合は使用を中止します。
冷却シートは「冷たく感じるための補助」、熱中症対策は「暑さを避けて体を守る行動」です。熱中症が疑われるときは、冷却シートだけに頼らず、涼しい場所への移動、衣服をゆるめること、体の太い血管がある部分を冷やすことを優先してください。







